MASSES HORSE GRIZZLY JACKET VINTAGE W。希望小売価格33万円(税込)——この数字がジャケット1着の価格であることを聞いて、怯む人は少なくないだろう。しかし実際に手にし、着込んでいくうちに「なぜこの価格なのか」が腑に落ちる。本記事では、実際に着用・使用している立場から、素材・構造・サイズ感を客観的に検証する。
ホースレザーにムートン、タロンジップ、キュプラ裏地——MASSESが「フラッグシップ」と位置づけるだけの理由を、ディテール写真とともに紐解く。高額ゆえに購入を躊躇している方の判断材料として役立てていただきたい。
スペック・概要
| ブランド | MASSES |
| アイテム名 | HORSE GRIZZLY JACKET VINTAGE W |
| 素材(表) | ホースレザー(身頃・袖)、ムートン(衿・前立て) |
| 素材(裏) | ウール混紡(身頃裏)、キュプラ100%(袖裏) |
| ファスナー | ALLタロンジップ |
| 価格 | ¥330,000(税込) |
| 生産国 | MADE IN JAPAN |
| 着用サイズ | 36(身長167cm・体重65kg目安) |
フロント全体——グリズリーシルエットの再解釈

グリズリージャケットは本来、着丈が極端に短いウエスタン由来のシルエットが特徴だ。MASSESはこれを現代的に再解釈し、他のMASSESアイテムとのバランスを考慮したサイズグレーディングを採用している。着丈は一般的なグリズリーより数センチ長く、ボトムスとのコーディネートの幅が広がる。
ビンテージ加工はランダム感があり、着用開始時点からすでに「使い込まれた感」が宿っている。ただし表面はしっかりとした厚みを持ち、ペラペラした安さとは無縁だ。
バックショット——ムートンとホースレザーの切り返し

背面では素材の切り替えラインがより明確に確認できる。肩から腰にかけてムートンが帯状に配され、身頃の動きに合わせて自然にシルエットが変化する。単なるデザイン上の装飾ではなく、保温性と可動域の両立という機能的意図も感じられる設計だ。
ディテール①——衿とスナップボタン

衿に使用されているムートンは毛足が長く、密度が高い。顔周りへの保温効果は顕著で、ネックウォーマーなしでも耳下まで暖かさが届く。また、肩の切り返し部分のステッチは細かく均一で、国内縫製ならではの精度が見て取れる。
肩のパネル切り替えにより、腕の可動域が確保されている。一般的な一枚革のジャケットでは肩が突っ張る感覚があるが、このジャケットではそれが大きく軽減されている。
ディテール②——スナップボタンとウエストベルト

フロントのスナップボタンは重厚感のある金属製。グリズリーシルエットの伝統的なディテールをMASSESらしく解釈した選択だ。ウエストのベルトは絞りを調整でき、着丈感のコントロールや防風性の向上に機能する。
ディテール③——ブランドタグと裏地

衿裏のタグにはMASSESのブランドロゴとMADE IN JAPANの記載。素材表記も明確で、ホースレザー・ムートン・ウール混・キュプラの組み合わせが確認できる。裏地のウール混紡は冬場でも金属的な冷たさを感じさせず、キュプラの袖裏は腕の通しをスムーズにする。
着用感・サイズガイド

着用したサイズは36。身長167cm・体重65kg前後の体型で、着丈・肩幅ともに余裕のあるフィット感。インナーにサーマル1枚を重ねてもシルエットが崩れない設計になっている。
保温性は高く、気温5度前後の環境でもサーマルシャツ1枚のレイヤリングで対応可能。真冬の外出を単体のアウターとして完結できる実力がある。数回の着用で腕部分にシワが入り始め、ホースレザー特有の経年変化が確認できた。
| サイズ | 目安身長 | 特徴 |
|---|---|---|
| 34 | 160〜168cm | コンパクトなグリズリーシルエット |
| 36 | 163〜170cm | 標準的なバランス(着用サイズ) |
| 38 | 175〜182cm | ゆったりとした着こなし向け |
※MASSESの既製品はシーズンごとに仕様が変わる場合があります。購入時は実寸表を確認することを推奨します。
結論・総評
評価まとめ
- ✅ 最上級ホースレザーの質感と、着込むほどに深まる経年変化
- ✅ ムートン衿+ウール裏地による実用的な保温性(気温5度前後まで対応)
- ✅ 肩パネル切り替えによる可動域の確保——レザーの窮屈さを排除
- ✅ キュプラ袖裏・タロンジップなど、随所に宿るMADE IN JAPANの精度
- ⚠️ 価格は¥330,000——購入ハードルは高く、予算の確保と長期所有の覚悟が前提
- ⚠️ ホースレザーのケアには専用クリームと年1〜2回のメンテナンスが必要
- ⚠️ グリズリーシルエット特有の個性が強く、スタイリングの方向性が限定される
MASSES HORSE GRIZZLY JACKET VINTAGE Wは、価格に対する価値が明確に存在するアイテムだ。同価格帯の国内外レザージャケットと比較しても、ホースレザーの質・裏地仕様・縫製精度において競合しうる水準にある。一方で、33万円という投資を正当化するためには、長期着用への意志とレザーケアへのコミットが求められる。衝動買いには向かないが、検討を重ねた末の購入であれば、その期待に十分応えられる一着だ。
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