「コロニル1909シュプリームクリームを塗ったら革が白くなってしまった」「塗りすぎたかもしれない」——結論から言うと、白くなる現象のほとんどは塗りすぎが原因で、正しい手順を踏めば元に戻せる。革自体が傷んだわけではないので、慌てて別のケア用品を重ねる前に本記事の対処法を試してほしい。
筆者は実際にRED WINGのブーツで1909シュプリームクリームデラックスを使い込んでおり、白濁の発生と解消を経験している。原因・対処法・再発防止までを実例ベースで解説する。
なぜ白くなるのか——原因は3つ

| 原因 | メカニズム |
| ① 塗布量が多すぎる | 革が吸収できる油分量を超え、余剰成分が表面で乾いて白く残る(最も多い原因) |
| ② 浸透時間を置かず乾拭きした | クリームが革に入る前に表面で伸ばし固めてしまう |
| ③ 乾拭き・ブラッシング不足 | 浸透しきらなかった余剰成分がそのまま乾燥して白化する |
公式の使用量目安は900平方cmあたり1ml——およそ20〜30cm四方にパール粒1個分だ。靴1足の片側なら本当にわずかな量で足りる。「しっかり塗ってあげたい」という気持ちが白濁の最大の敵になる。
白くなった時の対処法——3ステップ
Step 1:乾いたクロスでしっかり乾拭きする
まずポリッシングクロスなど乾いた柔らかい布で、白くなった部分を中心に全体を拭き上げる。表面に残った余剰クリームを取り除くだけで、軽度の白濁はこの段階でほぼ解消する。力任せにこすらず、面で優しく拭くのがコツだ。
Step 2:馬毛ブラシで念入りにブラッシングする
乾拭きで取り切れない場合は、馬毛ブラシで全体をブラッシングする。ブラシの毛先がシワやステッチまわりに入り込んだ余剰クリームを掻き出し、同時に残ったクリームを革の繊維へ押し込んでくれる。白濁の解消と艶出しが同時に進む工程だ。
Step 3:それでも取れない場合はユニクリームでリセットする

時間が経って固着してしまった白濁には、クリーナーでのリセットが有効だ。コロニルのユニクリームは油脂と界面活性剤を配合したスムースレザー専用クリーナーで、古いクリーム層を分解しながら除去できる。クロスにパール粒1個分を取って白濁部分を拭き、乾拭きで仕上げる。その後、改めて1909を「適量」で塗り直せば本来の艶に戻る。
再発を防ぐ正しい塗り方
- ✅ 量はパール粒1個分(20〜30cm四方あたり)——「足りないかな」と感じる量から始める
- ✅ クロスかアプリケーションブラシで塗る——指より薄く均一に伸ばせる
- ✅ 塗布後5〜10分の浸透時間を置く——すぐ拭かない
- ✅ 乾拭き→仕上げブラッシングをセットで行う——余剰成分を残さない
- ⚠️ 濃くしたい場合は「薄く塗って乾かしてから重ねる」——一度に厚塗りしない
基本の使い方・手順の全体像はコロニル1909シュプリームクリームデラックスの使い方ガイドで写真付きで解説している。
よくある質問(FAQ)
白くなったまま放置するとどうなる?
余剰クリームが固着して落としにくくなり、ホコリも付着しやすくなる。革が即座に傷むわけではないが、気づいた時点で乾拭き・ブラッシングをしておくのが賢明だ。
革自体がダメージを受けた可能性は?
白濁は表面の余剰成分による現象で、革の内部が傷んだわけではない。1909は有機溶剤不使用のため、塗りすぎても革を侵すことはない。落ち着いて対処すれば問題ない。
どうしても白さが取れない場合は?
ユニクリームでのリセットを2〜3回繰り返しても改善しない場合は、革の種類がマット系スムースレザーや起毛革である可能性を疑ってほしい。1909はツヤありスムースレザー用で、マット質感の革には推奨されていない。判断が難しい場合は購入店や専門店に相談を。
まとめ
- ✅ 白くなる原因のほとんどは塗りすぎ——革のダメージではない
- ✅ 対処は「乾拭き→ブラッシング→(固着時)ユニクリームでリセット」の3ステップ
- ✅ 再発防止はパール粒1個分の適量厳守と浸透時間の確保
- ✅ マット系レザー・起毛革にはそもそも使わない
実際のブーツでの使用例はRED WING 2922のファーストケア記事とRED WING 8131のフルメンテナンス記事で工程写真とともに確認できる。


